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「人生の最期に寄り添う医療〜ご家族とともに過ごした時間」
私たちのクリニックに長年通院されていた患者様が、今年に入り体調を崩され、ご自宅での療養を希望されました。
その後、私たちは訪問診療を通じて継続的なサポートを行ってまいりました。時間が経つにつれ、患者様はご自宅で横になる時間が増え、食事を取ることが難しくなっていきました。
そして先日、ご家族に見守られながら、ご自宅で穏やかに旅立たれました。
みずじゅんクリニックの訪問診療のご相談はこちら(ホームページ)
ご家族様からの感謝の言葉を、私や看護師、相談員がいただいたとき、医療従事者として「患者さんとそのご家族に、最期まで寄り添うことができたのか」と改めて考えさせられました。
ご家族にとっては、大切な人を見送るということは、悲しみと同時に、何かしらの安らぎや安心感をもたらすこともあります。
患者さんが最期を迎える場所や、周囲の環境、ご家族との時間がどうだったかが、亡くなられた後のご家族の心情にも大きく影響を与えます。
「みずじゅんクリニック」・「さがみはらファミリークリニック」の心に寄り添う在宅医療
そのため、私たちは、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)や「人生会議」の重要性を強く感じています。
「人生会議」してみませんか(厚生労働省ほホームページ)
ACPとは、患者様がどのような治療やケアを望むかを、あらかじめ話し合っておくプロセスです。病気が進行する前に、患者様自身の意思を確認し、ご家族や医療チームが一緒に最良の選択をできるように準備を整えておくことが、最後の時を迎える際の不安を軽減する助けになります。
ACPを通じて、患者様が「どのように生きたいか」「最期の瞬間をどのように過ごしたいか」という思いを共有し、その意思を尊重した医療を提供することが大切です。
今回のケースでも、患者様とご家族がご自宅で過ごしたいという希望をお持ちだったため、その希望に沿った訪問診療を続け、ご家族と共に過ごす時間を大切にできたことが、私たちにとっても大きな学びとなりました。
ACP・人生会議の水上の講演についてはこちら。
私たち医療者は、ただ病気を治療するだけではなく、患者様が安心して生活を送れる環境作りにも関わっていくべきだと考えています。そして、最期の時間に寄り添い、患者様の人生にとって最良の選択をサポートすることが私たちの使命です。
亡くなられた患者さんのご冥福をお祈りするとともに、残されたご家族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。ご家族が今後も安心して生活を続けていけるよう、引き続きサポートさせていただきます。
最後に、ジョン・レノンの「Imagine」をお勧めしたいと思います。
この歌は、人々が調和し、平和に満ちた世界を描いており、亡くなられた方々への追悼の気持ちと、これからの未来に向けた希望を感じさせてくれます。
「Imagine」を聴きながら、今一度、私たちがどのように人生を生き、どのように最期を迎えるのかを考えていただけたらと思います。
音楽を聴きながら、人生の価値や愛する人々との時間の大切さについて、皆様にも心に響く瞬間が訪れることを願っています。
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このブログを通じて、私たち医療者が提供する「寄り添う医療」の一端を少しでも感じていただけたなら幸いです。今後も患者様とそのご家族が安心して最期を迎えられるよう、心を込めて支援を続けてまいります。
院長 水上潤哉