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「人のために、他者のために」──私たちの在宅医療の日常に重なる思い
GWもおわり、いかがお過ごしでしょうか?
昨日は外来担当医の早退もあり、訪問診療先からアリオ橋本へ戻り、午前は内科外来を担当しておりました。
上溝のさがみはらファミリークリニックからの外来患者さんも多くいらっしゃり、私の外来日が減ってしまった中、偶然の再会を果たして、ついつい昔話など長くなってしまいました。
金曜日はあまり混雑しないことが多いですが、クリニック内の混雑状況はホームページで分かりますので、下記をクリックしてお調べください。
さて、世界的にはニュース等で報道されていましたが、コンクラーベ、枢機卿など、学生時代に世界史で聞いたことがあったようなないような、そんな単語が飛び交っていました。
2025年5月8日、アメリカ出身のロバート・プレボスト枢機卿が、ローマ教皇「レオ14世」として選出されました。
New pope elected as white smoke emerges from Sistine Chapel | BBC News
白煙や、教会の鐘の音は、歴史や伝統の重みと神聖さを感じさせますね。
世界中の注目が集まる中、彼は最初のメッセージで「平和が皆さんと共にありますように」と、優しく語りかけました。
First American pope elected(CNN)
教皇レオ14世はこれまで、社会から取り残されそうになる人々、貧しい人々、移民、居場所を失った人たちに心を寄せ、ペルーでの宣教活動や教会の改革に力を注いできました。
教会の「中にいる人」だけでなく「外にいる人」へも手を差し伸べる。そんな姿勢が、人道的なリーダーとして世界に支持される理由かもしれません。
このニュースを見ながら、ふと、私たちが日々取り組んでいる「在宅医療」と重なる部分があるように感じました。
訪問診療も「人のため、他者のため」に
訪問診療を希望される方の多くは、病院ではなく「家」で過ごしたい、家族のそばで穏やかな日々を送りたいという気持ちを抱いています。
でも、病気や年齢の影響で、体力も落ち、不安も大きい中での「家での療養」は決して簡単なことではありません。
そんなとき、私たち医師や看護師、訪問スタッフができることは「そっと寄り添うこと」。診察や治療だけでなく、心配や悩みを聞く時間、そばにいて一緒に考える時間も大切にしています。
心の中の「平和」を支えたい
教皇レオ14世が語った「平和」とは、争いのない世界を願う大きなビジョンだけでなく、身近な一人ひとりの心の中の平和、家庭の中の平和にもつながっているのだと思います。
在宅医療も同じです。
病気や治療のためだけではなく、その人らしい日々、その人が安心して過ごせる時間を支えたい。
誰もが「自分らしく」最期まで生きられるように。私たち医療者もまた「人のため、他者のため」に小さな力を積み重ねています。
どんな小さな相談もお聞かせください
もし、今、ご自宅での療養に迷いや不安を感じている方がいたら、どうぞ気軽にご相談ください。
どんな小さなことでも構いません。皆さんのそばで一緒に悩み、一緒に考え、一緒に支えていく。それが私たち訪問診療チームの願いです。
「人のため、他者のために」──その思いは、世界のリーダーも、私たち地域の小さな医療現場も、きっと同じだと思います。
皆さんが安心して過ごせる日々を、これからも一緒に作っていけたらと思います。
宗教をこえて、このような思想や倫理観をもって、皆さんの心の安らぎや、平穏な日々を過ごしていけるよう、これからもスタッフ一同、地域医療に臨んでいきたいと思います。
医療法人社団はやぶさ
理事長 水上潤哉