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医師会活動報告:災害を忘れないために:地域医療が果たす役割と私たちの備え
皆さん、おはようございます。
本日は1/14火曜日ですが、午前10時より、内科、皮膚科の診療を行っております。
診察医につきましては、こちら(クリック)をご参考ください。
今回は、この連休中に、神奈川県医師会主催の「災害コーディネーター研修」に参加してきた内容をもとに、地域医療が災害時にどのように機能するのか、そして私たち一人ひとりがどう備えるべきかをお伝えします。
災害はいつ起きるか分かりません。だからこそ「備え」と「連携」が重要です!
1. 地域医療災害対策会議って何?
災害が発生すると、医療現場では地域全体が「総力戦」となります。
「地域医療災害対策会議」とは、災害時に医療機関同士が連携し、患者さんの搬送や治療、物資の調達などを迅速に行うための会議体です。
この会議では、医師や看護師だけでなく、自治体の職員や介護職も一緒に計画を立てます。
災害時の医療支援は、単に病院の対応だけではなく、避難所や地域全体での協力が必要です。
2. コーディネーターの役割とは?
災害時に混乱を防ぐため、各地域には「コーディネーター」が必要です。
私が今回受講した研修では、医療・衛生・生活機能の評価を行う方法や、避難所環境の改善について学びました。
避難所の環境が良くないという問題は以前から指摘されていますが、災害が長期化すると、健康面だけでなく心のケアも重要になります。
コーディネーターは、こうした課題に迅速に対応し、地域全体の医療機能を維持するための調整役です。
3. 災害時医療の基本:CSCATTTとは?
「CSCATTT」という言葉をご存知ですか?
これは、災害医療の基本フレームワークです:
•C: Command(指揮)
•S: Safety(安全確認)
•C: Communication(連絡)
•A: Assessment(評価)
•T: Triage(トリアージ)
•T: Treatment(治療)
•T: Transport(搬送)
例えば、避難所の電気や水、酸素供給が不足した場合、優先的に対応すべき項目をこのフレームワークで整理します。
災害時は混乱がつきものですが、このような手法で冷静に対応することが求められます。
4. EMISとDWATが災害支援を支える
災害時の情報共有には「EMIS(救急医療情報システム)」が活躍します。これにより、広域災害であっても被害状況や医療機関の状況がリアルタイムで共有されます。
また、「DWAT(災害派遣福祉チーム)」は、避難所での生活支援を行い、高齢者や障がい者のケアを担います。今後は介護職員の派遣も強化される見込みです。
5. 衣・食・住の上にある「医療」
研修で特に印象的だったのは、「医療は衣食住が成り立って初めて機能する」という言葉です。
避難所では、医療だけでなく、水や食料、生活用品の確保が不可欠です。これらが揃わないと、病気の予防や治療が十分に行えません。
6. 私たちが今できること
災害は忘れた頃にやってきますが、「備え」は私たちが日々できることです。
以下の項目をぜひ確認してください:
•災害時の持ち出し袋の準備
•家族との連絡方法の確認
•地域の避難所や災害医療情報のチェック
また、今回の研修で学んだ内容を地域の皆さんと共有し、災害時に頼れる体制づくりを目指していきます。
災害に備えて、地域とともに前へ
災害時に重要なのは「連携」です。一人ひとりの備えと、地域全体の協力があれば、私たちはどんな困難にも立ち向かえます。
これからも、災害医療の重要性をブログでお伝えしていきます。ぜひ、家族や友人と話し合うきっかけにしてください。
災害を忘れず、みんなで元気に前に進みましょう!
参考リンク:
「備えあれば憂いなし」を実感する学びでした!
医療法人社団はやぶさ
理事長 水上潤哉