内科/皮膚科
10:00~12:45 ×️
14:45~18:30

受付 10:00〜12:45 14:45〜18:30

042-812-5949

ブログ

横山地区から広げる「自助・共助・公助」  ――災害時のくすりと横山Kizunaパーキングのこれから
投稿日:2025.11.18 

横山地区から広げる「自助・共助・公助」 ――災害時のくすりと横山Kizunaパーキングのこれから

 

地区ごとの平時からの関係作りと災害時の医療介護を考える。

 

横山から広げる「自助・共助・公助」

――災害時のくすりと横山Kizunaパーキングのこれから

 

横山で「災害」と「絆」を語り合いました。

横山地域包括支援センターはこちら(クリック)

 

相模原市中央区でさがみはらファミリークリニックを立ち上げてから12年、在宅医療や訪問診療を通して地域とかかわってきました。

 

水上は災害が起きた際に、県の災害医療コーディネーターの研修を終了しており、本部等での役割を担います(関連ブログはこちら)

 

今回、横山地区の皆さんと一緒に、

•    災害時のくすりの確保

•    必要な情報をどう届けるか

•    住民同士・専門職同士の「顔の見える関係づくり」

•    横山発の取り組み「横山Kizunaパーキング」の今後

について、グループワークと全体討論を行いました。

 

災害時のくすりをどう確保するか

 

まず話題になったのが「災害時のくすり」です。

•    慢性疾患の内服薬(血圧・コレステロールなど)は、自分の分は自分で確保することが大原則

•    可能であれば、1〜2週間分を多めに処方してもらい、ローリングストックしておく

•    自宅には昔の「薬箱」のイメージで、

•    解熱鎮痛薬

•    かぜ薬

•    必要に応じて胃腸薬や貼り薬

などの市販薬を、家族で共有しておく

 

施設や事業所からは、

•    「緊急時用のお薬ボックス」を準備しておき、

•    地域の方が本当に困ったときには、医師の確認のもと、解熱剤や痛み止めをお渡しできる仕組みがあると安心。

 

といった意見も出ました。

 

「誰に優先して薬を渡すか」という視点も重要で、

命に直結する薬が必要な方をどう見える化するか――今後の課題として共有されました。

 

情報をどう届けるか ― 特に認知症の方への配慮

2つ目のテーマは「災害時の情報提供」です。

 

•    認知症の方や、

自分の名前・家族・連絡先がすぐに言えない方の情報を、誰が・どこで把握しておくのか

 

•    ケアマネジャーがすぐ動けない場合、支援の手が届きにくくなる

という現場の実感が出されました。

 

かつて冷蔵庫の中に「お薬情報などを入れた筒」を保管する取り組みがありましたが、

•    中身が古いまま更新されていない

•    そもそも存在を忘れている方も多い

という話もあり、もう一度、地域で周知し直し、内容を見直す必要があるという意見で一致しました。

 

また、

•    指定避難所は知っていても、「そこまでどうやって行くか」が決まっていない

•    福祉用具事業所などと連携して、車いすや移動手段をどう確保するか

といった、“行ける避難所”にするための仕組みづくりも話し合われました。

 

能登半島での実際の災害医療支援について(ブログ参照)

日ごろからの「顔の見える関係づくり」

3つ目のテーマは、「従事者と住民の顔の見える関係づくり」です。

•    初回契約やサービス利用開始のタイミングで、

•    緊急時の連絡先

•    避難場所

•    家族構成

などを一緒に確認しておく

 

•    お茶のみ話の中で、さりげなく災害の話題を出し、

情報がどこにあるかを一緒に整理しておく

 

•    家族にも、薬の飲み方や避難時の動き方を共有しておく

こうした日常のコミュニケーションの積み重ねが、

「いざという時に誰一人取り残さない」ための土台になると、改めて確認できました。

 

横山発「Kizunaパーキング」のこれから

 

以前にご紹介した横山Kizunaパーキング🅿️についてのブログはこちら!

 

後半は、横山地区発の取り組みである**「横山Kizunaパーキング」**についての意見交換でした。

 

Kizunaパーキングは、

•    医療・介護・福祉の専門職が、

地域の狭い道や個人宅を訪問するときに使える「地域で支え合う駐車スペース」

•    違法駐車を避けつつ、在宅医療や訪問介護を支える仕組み

としてスタートした取り組みです。

 

今回は、

•    市の助成金を活用して、新しいピンク色の看板を整備すること

•    ベンチと組み合わせて、

•    情報発信の場

•    ウォーキングラリーなどの「地域のランドマーク」

としても活用していくこと

 

•    駐車場マップをA3版で作り直し、

必要な事業所や関係者に配布していくこと

などが共有されました。

 

看板にはQRコードも付けて、

•    駐車場所の情報

•    地図へのリンク

などをわかりやすく伝えていく構想も出ています。

 

横山から始まったこのモデルは、すでに他地区にも広がり始めており、

来年の市内社会福祉協議会の報告会でも、横山地区が代表事例として発表予定とのことです。

 

おわりに ―

「横山から、誰一人取り残さない地域へ」

 

コロナ禍を経て、なかなか顔を合わせての会議が難しい時期もありましたが、

久しぶりに多職種と住民が一堂に会し、

「自助」「共助」「公助」をどうつないでいくかを真剣に話し合う貴重な時間になりました。

 

•    災害時のくすりの備え

•    情報の見える化

•    顔の見える関係づくり

•    横山絆パーキングを軸とした地域の支え合い

 

どれも、一度決めて終わりではなく、

これからも少しずつアップデートしていくテーマです。

 

横山から始まったこの取り組みが、

「誰一人取り残されないまちづくり」の一歩として、

市内全域にも広がっていくことを願いながら、

在宅医として、また一人の地域住民として、今後も関わっていきたいと思います。

 

医療法人社団はやぶさ

さがみはらファミリークリニック 理事長

みずじゅんクリニック 院長

水上潤哉

発熱診療を電話にてご予約済みの方
専用フォーム

予約窓口
042-812-5949
受付時間:当日午前9:30〜

お電話で予約済みでしょうか