ブログ
新しい円形脱毛症治療薬:リットフーロ
さて、先日ファイザー株式会社の情報提供のもと、当院スタッフ、めぐみ薬局職員と合同で、勉強会を行いました。
円形脱毛症は、当院でも小児から成人の方まで、治療のご相談を受ける機会が多いです。
初回投薬の際には、事前に血液検査、胸部レントゲン検査を行い、肺結核などの結核病変、肝機能障害、感染症、血球減少などがないことを確認する必要があります。
治療ご希望の方がいましたら、皮膚科の医師にご相談ください。
以下に該当する方は服用できません。
*過去にアレルギー反応
*感染症のある方
*活動性結核の方
*重度の肝機能障害
*好中球<1000m㎥、リンパ球<500m㎥, Hb<8.0g/dL、血小板<100,000m㎥
*妊婦、妊娠している可能性のある方
円形脱毛症は自己免疫性疾患であり、体が自己の毛包を攻撃し、毛がで抜け落ちる特徴を持っています。この状態は再発を伴い、慢性化する可能性があり、患者の外見に大きな影響を及ぼすことがあります 。
リットフーロの役割
リットフーロ(リトレシチニブ)は、12歳以上の難治の広範囲に及ぶ円形脱毛症患者に処方される新しい治療薬です。JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害剤として分類され、IL-15、IL-21などのシグナル伝達を抑制し、CD8陽性T細胞やNK細胞の細胞溶解能を低下させることで、円形脱毛症の進行を抑えます 。
適用患者と年齢
リットフーロは、12歳以上で、治療に難渋する広範囲の円形脱毛症を有する患者に適用されます。この薬の使用は、特に脱毛部位が広範囲に及ぶ場合に限定されています 。
治療方法
治療は、リットフーロカプセルを内服します。この薬は、脱毛の進行を抑制することで、患者の生活の質の向上を目指します。臨床試験では、リットフーロの使用により、円形脱毛症の症状が改善されることが示されています 。
リットフーロは、円形脱毛症治療における新たな希望を提供し、患者が直面する外見上の問題を軽減することで、より良い日常生活を送ることができるよう支援します。